公共工事とは?民間工事との違いや特徴、発注の流れをわかりやすく解説!

皆さん、こんにちは。福岡県福岡市を拠点に、土木工事や外構工事を手掛けている大神建設株式会社です。


弊社の手掛ける土木工事は、その大部分が「公共工事」です。一方、公共工事と反対の性質を持つ工事を「民間工事」といいます。


公共工事という言葉自体は、メディアの報道などで聞いたことがあるものの、具体的にどういう工事なのかはよく知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、公共工事と民間工事の違いや、それぞれの発注の流れについて詳しく解説します。




■「公共工事」と「民間工事」、それぞれどんな工事なの?



まずは、公共工事と民間工事がどのような工事なのかを簡単に確認しておきましょう。名前から何となく想像できるかもしれませんが、それぞれ以下のような工事を指します。



・公共工事


公共工事とは、国や地方公共団体(都道府県、市町村)が発注する工事のことです。予算には税金が使われ、政府機関によって監督されます。工事の内容は公益性の高いインフラ関係が多く、道路や橋梁、トンネル、ダム、上下水道、公園、発電所、灌漑システム、洪水防止システム、その他公共施設などが挙げられます。



・民間工事


民間工事とは、個人や民間企業が発注する工事のことです。公共工事以外はすべて民間工事である、と考えて構いません。


民間工事で作られる建造物は、一般の住宅やマンション、ビル、工場、商業施設などさまざまです。水道の工事でも、自治体の管理下にない部分の工事は民間工事に該当します。公共工事とは異なり、インフラ以外の工事や公益性の高くない建造物の工事も多数含まれています。




■公共工事の発注の流れ



公共工事と民間工事は、発注者の立場が異なる関係上、発注の流れにも違いがあります。まずは公共工事の発注の流れを見ていきましょう。



①資格審査


公共工事を受注しようとする建設業者は、まず審査を受ける必要があります。前提として経営事項審査(経審)を受け、経営状況などに問題がないことを確認した上で、入札参加資格審査の申請を行わなければなりません。


審査では、「建設業の許可の有無」「経営事項審査の受審状況」「各種税金の未納・滞納の有無」「その他欠格要件に該当しているかどうか」の4つが主にチェックされます。この審査を通過した業者だけが、次の入札に進むことができます。



②入札


資格審査をクリアした企業は入札に参加します。入札の形態には、大きく分けて一般競争入札・公募型指名競争入札・工事型指名競争入札・指名競争入札の4種類があり、状況に応じて使い分けられます。そして入札の結果、金額や工事の計画において、最も有利な条件を提示した業者が受注者として選ばれるのが基本です。


ただし、最低制限価格が設定されているため、それを下回る金額は提示できません。これは、安さだけを理由に決めてしまうと、工事の品質や労働者の待遇に問題が生じる可能性が高いからです。工事の内容によっては、過去の施工実績や保有する免許などが考慮されることもあります。


また、入札にあたっては、発注者から提案依頼書(RFP)が提示されます。これは工事の背景や目的、課題、期間、要件などをまとめたものです。建設業者はRFPを参考に、適切な金額や工事の方法などを提案することになります。



③発注


入札によって発注する業者が決まったら、正式に工事の契約を交わします。その後はより具体的な計画が立てられ、工事が進められます。




■民間工事の発注の流れ



次は、民間工事の発注の流れを確認しておきましょう。公共工事と比較すると、最初から最後までいろいろな違いがあります。



①設計業者の選定


民間工事で最初に行うのは、設計業者の選定です。工事の規模や内容に応じて、設計および設計管理を担当する業者を選びます。



②設計・積算


依頼を受けた設計業者は、図面や仕様書を作成し工事の積算を行います。積算とは工事の費用(原価)を算出することで、それに利益を上乗せしたものが見積もりです。



③見積もり


図面や仕様書が完成し積算が終わったら、設計業者はそれらをもとに見積書を作成して提出します。この見積もりが工事にかかる費用(発注者が支払う費用)の目安であり、複数の業者から1社を選定する時も見積もりを比較します。



④協議・調整


見積もりを提示された発注者は、それを参考に設計業者や施工業者との協議・調整を行います。たとえば、金額が高すぎる場合は「もう少し設計を簡略化できないか?」「資材のグレードを落とせないか?」など、改善点を探ります。場合によっては、設計をやり直さなければならないこともあるでしょう。



⑤発注


協議と調整の結果、工事の金額や内容について発注者・受注者間で合意できたら、正式に契約を交わします。その後は計画に従って工事が進められます。




■結局、公共工事と民間工事は何が違うの?



ここまでの内容をお読みいただいても、公共工事と民間工事の違いが今一つよくわからない……という方はいらっしゃるかと思います。そこで最後に、公共工事と民間工事の違いを端的にまとめておきましょう。両者の大きな違いは以下の3つです。



・資金調達方法


最も根本的な違いは資金の調達方法です。公共工事は税金を投入して行いますが、民間工事は銀行融資や民間投資などによって資金を調達し、財源とします。


当然、公共工事の費用の無駄遣いは、民間工事以上に許されません。そのため、そもそも工事が必要なのかどうかはしっかりと議論されなければなりませんし、発注先の決定も公正に行われる必要があります。



・発注までの流れ


発注の詳しい流れは先に解説した通りですが、最も大きな違いは「公共工事の発注先は入札によって決定される」という点です。まず、前段階として資格審査を行い、経営状況などに問題のある業者が除外されます。その上で入札を行い、最も有利な条件を提示した企業を選びます。


このような方法が取られている理由はもちろん、財源が税金だからです。加えて、公共工事はインフラの工事が中心であり、品質に問題があると多くの人に影響が及びます。そのため、技術力や費用を細かくチェックし、「信頼できる業者を」「公正に」選ぶというやり方が徹底されているわけです。


一方、民間工事は、各業者から提示された見積もりの比較や、設計業者・施工業者との協議によって発注先を決定します。最終的にどの業者を選ぶのかは、原則として発注者の自由です。より条件のいい業者を選ぶのが基本ではありますが、自社と関係の深い業者を指名して発注したり、他と比べて高額な業者に発注したりすることもできます。



・目的


忘れてはならないのが、そもそも工事の目的が大きく違うという点です。公共工事は、環境の整備や生活の質の向上、災害対策など、一般市民の暮らしを支えることを目的に発注されます。税金の投入が認められ、公益性の高いインフラの整備が中心になっているのもこのためです。


一方、民間工事は、根本的には利益を生み出すことを目的に発注されます。マンションもオフィスビルも工場も商業施設も、運用によって利益を上げるための建造物です。また、個人の住宅のように、私的利用を目的とするものもあります。社会基盤を作り上げるのが公共工事で、社会をより豊かにするのが民間工事と考えてもいいでしょう。



このように、公共工事と民間工事には、その目的や発注の流れに多くの違いがあります。さらに公共工事は、社会基盤であるインフラの整備が中心となる性質上、工事の需要が社会情勢に左右されにくく安定しているのが大きな特徴です。建設業界に興味があり、なおかつ安定した働き方をしたい方は、公共工事がメインの会社を探してみるといいでしょう。


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