土木施工管理技士とはどんな資格? 仕事内容と役割から1級・2級の違い、大変さとやりがいまで詳しく解説!

皆さん、こんにちは。福岡県福岡市を拠点に、土木工事や外構工事を手掛けている大神建設株式会社です。


土木工事現場のリーダーである土木施工管理は、多彩な業務をこなし工事を完了へと導く仕事です。施工管理者には、その業務の重要性に見合った能力が求められます。


そこで、キャリアアップのためにぜひ取得しておきたい資格が「土木施工管理技士」です。土木施工管理技士の資格を持っていれば、施工管理能力の高さの証明になり、仕事の幅も広がります。ここでは、土木施工管理技士の仕事内容や取得するメリット、仕事の大変なところとやりがいについて解説します。




■土木施工管理技士とはどんな資格?



土木施工管理技士とは、土木工事の施工管理のスキルを認定する国家資格です。また、施工管理者を指して土木施工管理技士と呼ぶこともあります。


施工管理は各種建設工事の現場責任者のことで、そのスキルを認定する「施工管理技士」という資格は、対応する工事別に全7種類に分かれています。そのうち、道路や橋梁、トンネル、河川、土地の区画整理といった「土木工事」全般に対応しているのが土木施工管理技士です。


土木施工管理技士の資格を取得するためには、「土木施工管理技術検定」に合格する必要があります。有資格者は土木施工管理のプロとして、土木工事を計画通り完了に導く役割を担います。


ただし、土木施工管理技士の資格を持っていなければ、土木工事の施工管理業務に携われないというわけではありません。土木施工管理として働くこと自体は無資格でも可能です。


そもそも、受験の際に一定以上の実務経験が求められるため、誰でも未経験から挑戦することになります。最初は見習いとして施工管理者のサポート業務を行い、少しずつ仕事を覚え、受験要件を満たしたら土木施工管理技士の資格を取得するのが基本です。




■土木施工管理技士の1級と2級は何が違う?


土木施工管理技士の資格は、1級と2級に分かれています。どちらも基本的な業務内容は同じですが、以下のような違いがあります。



・認定されるスキルの水準

1級は2級に比べて試験の難易度が高く、合格者はより高度な土木施工管理スキルを持っていると認定されます。また、2級は土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3種類に分かれており、合格した分野の施工管理業務のみを行うことができますが、1級はこれらをすべて含んでいます。



・受験に必要な実務経験

受験の際、1級は2級に比べてより長い実務経験を求められます。必要な実務経験は学歴によって異なります。たとえば、高校の指定学科を卒業している人だと、2級なら卒業後3年以上、1級なら卒業後10年以上の実務経験を積めば受験可能です。


なお、2024年度からは制度が変更され、学歴がほとんど関係なくなります。2028年度までは、現行制度と新制度から都合のいい方を選べるので、土木施工管理を目指す方にとっては大きなチャンスです。



・扱える工事の規模

2級の保有者は、土木工事の現場で技術上の管理を司る「主任技術者」になることができます。また、1級の保有者は主任技術者に加え、同じく技術上の管理を司る「監理技術者」にもなることができます。


主任技術者と監理技術者の違いは、簡単にいうと担当する工事の規模の違いです。下請け工事か、下請け総額が4,500万円未満(建築一式工事なら7,000万円未満)の元請け工事を受注する場合は、主任技術者を配置する義務があります。


一方、下請け総額が4,500万円以上(建築一式工事なら7,000万円以上)の元請け工事を受注する場合は、主任技術者に代えて監理技術者を配置する必要があります。要するに、1級の資格保有者の方が、より規模の大きい土木工事現場の責任者になれるわけです。


そして見方を変えると、土木施工管理技士の資格を持っていない人は、主任技術者にも監理技術者にもなることができません。

ただし厳密には、国や市町村等の発注機関では、10年以上の実務経験を有する者を主任技術者として認めることが可能です。そのため、土木施工管理技士の資格を持っていなくても、実務経験を積んでキャリアアップすることは可能です。

つまり土木施工管理技士の資格は、土木施工管理として働く上で必須ではないものの、キャリアアップを狙うなら「事実上必須」だといえます。積極的に取得するのが望ましいでしょう。




■土木施工管理技士の仕事内容と求められる能力



土木施工管理技士は土木工事の責任者として、日々多様な業務をこなしています。当然、土木施工管理技士には、その立場と業務内容にふさわしい能力が求められます。土木施工管理技士の主な仕事内容と、求められる能力を見ていきましょう。



・土木施工管理技士の仕事内容

土木施工管理技士の主な業務は、工事の施工計画の作成やスケジュール管理、土木作業員(施工技能者)の指揮監督、書類作成、資材発注、人員の手配、関係者との打ち合わせなど多岐にわたります。デスクワークも多く、現場で作業を直接行うことは基本的にありません。


特に重要な業務は工程管理・品質管理・安全管理・原価管理の4つで、合わせて「4大管理」と呼ばれています。まとめると、事故を防ぎつつもスケジュール通りに工事を進め、仕様通りの品質を実現し、利益もしっかり出すことが施工管理の役割です。



・土木施工管理技士に求められる能力

土木施工管理技士の仕事で最も重要なのは、予定されている工期以内に工事を終わらせることです。そのためには、常に工事のスケジュールや進捗を把握し、現場の土木作業員(施工技能者)に指示を出したり、確認業務や資材発注を適切に行ったりしなければなりません。進行管理能力とタスク管理能力の両方を、バランスよく身につけることが重要です。


また、土木施工管理技士は、関係者間の緩衝材となる側面も持ちます。作業の進め方を巡って現場の土木作業員(施工技能者)と対立したり、自社・業者・施主・役所などとの間で板挟みになったりすることもあるでしょう。こういった関係者の間を取り持ち、話をまとめて工事を進めるコミュニケーション能力も、施工管理には必須のスキルです。




■土木施工管理技士の仕事の大変なところ


土木施工管理技士は、土木工事現場の責任者という重要なポジションだけに、働いていて大変に感じることもあります。特に大変な点としては、主に以下の2つが挙げられます。



・ワークライフバランスが取りにくい

土木施工管理技士の仕事は、ワークライフバランスが取りにくい傾向があります。第1の要因は、仕事の内容が多岐にわたり業務量が多いことですが、それだけではありません。


土木工事は、天候や予期せぬトラブルの影響を受けやすく、スケジュール通りに工事を進められないことがよくあります。そのため、遅れを取り戻して工期を遵守できるよう、残業や休日出勤をしなければならないことが多いのです。施工管理は全体の責任者のため、現場にいないと他の人が困ることが多く、休みを取りづらいという事情も関係しています。



・精神的な負担

土木施工管理技士は、工事の計画から施工、完了まで、責任を持って管理する立場にあります。工事のスケジュールや予算を守り、安全に工事を進めるためには、常に高い緊張感を持って仕事をしなければなりません。


また、工事中にトラブルが発生した場合は、その対応にも追われることになります。こういった事情から、土木施工管理技士は精神的な負担を抱えやすい性質があります。




■土木施工管理技士のやりがい・魅力


土木施工管理技士は大変に感じることもありますが、それ以上のやりがいが得られる仕事です。また、収入や仕事の安定性に関しても大きな魅力があります。土木施工管理技士の主なやりがい・魅力をご紹介します。



・自分の仕事が地図に残る

土木工事は、道路や橋梁、ダム、河川といった、大規模な公共インフラを主に作ります。そのため、自分の仕事の成果を長く見ることができ、地図にも載ります。「あれは自分が指揮して作った」と家族や友人に自慢することもできるでしょう。



・社会に貢献できる

土木工事で作り上げる道路や橋梁、トンネル、ダム、河川などは、いずれも社会に必要不可欠な公共インフラです。土木工事に携わる業者がいるからこそ、人々は快適で安全な生活を送ることができ、経済も発展します。この社会貢献性の高さ、自分の仕事が社会を支えているという実感こそが、土木施工管理の大きなやりがいです。



・給与水準が高く、経験+資格取得でキャリアアップできる

土木施工管理技士は、責任が大きく仕事も大変な分、建設業界の中でも給与水準が高めです。会社の規模にもよりますが、中には年収1000万円以上を実現している施工管理者もいます。


また、土木工事は実力本位の世界です。経験を積んでスキルを磨き、1級土木施工管理技士の資格も取得して大規模な現場を担当できるようになれば、給与もそれに応じて上がっていきます。未経験からでも努力次第で高収入を目指せるのが、土木施工管理の素晴らしい点です。



・仕事がなくなる心配がなく、安定して働ける

土木工事で作る公共インフラは、いずれも社会に必要不可欠なものです。なおかつ定期的にメンテナンスや更新が必要になるため、仕事がなくなる心配がありません。大部分が公共工事という性質も手伝い、景気や社会情勢に左右されにくく、仕事は非常に安定しています。


加えて土木工事は、施工管理業務にしても現場での作業にしても、実は機械任せにしにくい仕事です。そのため、今後AIが発達したとしても、機械に取って代わられる可能性は低いと考えられます。土木工事業界そのものが、大いに将来性のある業界といえるでしょう。



このように土木施工管理技士は、土木施工管理として働くなら必ず取得しておくべき資格です。施工管理の仕事は大変に感じる部分もありますが、土木工事を通じて社会を支えているというやりがいが得られ、給与水準の高さや仕事の安定性といったメリットもあります。


しかも、未経験・無資格の状態からでも挑戦でき、経験を積んで資格を取得すれば、着実にキャリアアップすることが可能です。皆さんも、土木施工管理の仕事に挑戦してみませんか?


大神建設では、土木工事・外構工事の技能者や施工管理として、一緒に働いていただける方を募集しております。弊社は現状に満足せず、常に時代に合わせた柔軟な取り組みを心掛けている会社です。


近年では下記の施工事例のように、建設業の未来を切り開く技術として、ICT施工を積極的に取り入れております。工期設定や人員配置なども工夫した結果、業務効率が飛躍的に高まり、現在では残業時間を月平均20時間未満に抑えられるようになりました。


https://www.oogami.co.jp/case/public-works

https://www.oogami.co.jp/blog/column/159630


社内には、新しいアイディアやチャレンジを歓迎する風土があります。ミーティングにおいては若手の意見も尊重されるなど、会社の方向性や決定事項に関しても発言しやすい環境です。


また、取得した資格や身につけたスキル、現場でのがんばりは正当に評価し、給与や待遇に反映させています。土木施工管理技士の資格取得支援も充実しており、資格取得および講習に必要な費用の補助や、資格取得に必要な勉強時間を確保するための勤務体制の整備など、社員の資格取得を全面的にサポートしています。


募集にあたって、学歴や経験は問いません。土木工事に関心のある方、建設DXを推進している会社で働いてみたい方は、どなたでも大歓迎です。実力があれば、20代・未経験入社の方でも、月50万と高い給与を取得できます。さらに、資格手当や奨励金制度も設けています。


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土木工事や施工管理に興味のある方は、お気軽にご連絡ください。

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