老朽化が深刻な日本の下水道!日本のインフラを支える下水道管の管更生工法の種類や工法の紹介!

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皆さん、こんにちは。福岡県福岡市を拠点として土木工事や外構工事を行っている大神建設 株式会社です。日本は下水道の設備が整っている地域が多く、快適な生活を送れています。


しかし、日本各地にある下水道は、その多くが老朽化してきているのが現状です。下水道は、日本のインフラを支える重要な設備です。今回は、下水道管の管更生工法の種類や工法をご紹介します。




■下水道管の管更生工法とは?



下水道管の管更生工法は、老朽化している下水道を補強するための工法であり、道路や地面を掘り返すことなく工事ができます。そのため、周辺地域の住民の日常生活に大きな影響が出るのを避けることができ、工期も短くて済むのが特徴です。



・管更生工法の概要


管更生工法は、老朽化した下水道管や排水管に手を加えることで、元の状態に戻す工事です。


もしくは、問題なく排水管として使用できる状態にすることです。新しくするわけではないため、古い下水道管を取り除く必要がなく、コストが少なく済みます。


もちろん、道路を掘り返すなどといったことも必要なく、新しいものに取り替えるよりも工事自体の時間が短いので、近隣への影響も少なくなるでしょう。




■更生工事には種類がある



更生工事には、「単管構造」か「複合管構造」の2種類があり、それぞれ工法が異なります。下水道管の設置状況や周辺環境、使える素材などによって工法を選ぶ必要があります。


ここでは、主な4つの工法について解説するので、それぞれの工法の特徴を理解して、工事の際には適切な工法を選ぶようにします。



・反転工法


反転工法の際に使用されるのは、樹脂をしみこませた更生材です。素材として使用されるのは、主にガラス繊維や有機質繊維などになります。


更生材は材料を適当に入れるのではなく、初めから下水道管に沿うように筒のような形になっていて、マンホールなどを利用することで道路を掘り返すことなく、古い下水道管の内部に入れることができるようになっています。


ただし、古い下水道の中に新しい下水道のもととなる更生材を入れるだけでは意味がなく、紫外線などを使用して固めて初めて新しい下水道管が完成します。



・形成工法


もともとある下水道管の中に専用の材料を投入し、新しい管を作る方法を形成工法と呼びます。ただし、新しい管はそのままでは古い管と一緒にならず、すき間が空いてしまうため、空気で大きくして古い管と新しい管を密着させなくてはなりません。


さらにすき間をなくすために、固める必要があります。固める方法は光硬化と熱硬化の2種類があります。ガラス繊維や有機質繊維などに特殊な樹脂をしみこませて筒状の更生材を作ることが重要な部分です。


新しい管の内側から空気で圧力をかけることによって、新しい管が大きく拡張し、古い管に密着します。下水道管に密着させた更生材を硬化させることによって新しい下水道管を構築する方法です。


しみこませる樹脂の性質によって効果方法が異なり、光硬化反応を起こしたい場合は、紫外線を含む光を照射します。一方で、熱硬化性の樹脂はその反応熱を利用して硬化させます。



・さや管工法


さや管工法の場合は、既存の下水道管よりも経口の小さな管を工場で製作する必要があります。製作した新たな下水道管は、もともとある古い管の内部に入れ込みます。その際、搬送組み立てを行うため、周囲への影響は小さく抑えられるのが特徴です。


新しく制作した下水道管は既存の下水道管よりも傾向が小さく、既存の管との間にすき間ができるため、そのすき間に充填材を入れ、新しい管を構築するというものです。



・製管工法


製管工法は、既設の下水道管などの管の内側に更生管を製管するものです。その際、素材として使用されるのは、硬質塩化ビニルやポリエチレン樹脂材などになります。


古い管と更生管を一体化させるのに、特殊なモルタルなどを使って行います。製管工法を使用すると、道路を壊す必要がなく、古い管を撤去しなくてもよいため、日常生活に大きな影響を出すことなく工事を進められるのが利点です。




■そもそも、なぜ管更生工法が必要?


そもそも、管更生工法を行わなくてはならないのはなぜなのか、といった点が重要です。もちろん、古い下水道管を撤去して新しい下水道管を埋め直すには、かなりのコストと労力がかかります。


そのため、コストの削減と周辺地域への影響を考えると管更生工法は断りにかなっているといえます。


とはいえ、そもそも下水道管を新しくしなければならないのはなぜなのか、といった点がポイントです。ここでは、下水道管の管更生工法を行う理由について解説します。



・老朽化してしまうから


下水道管を新しくしなければならない理由の一つに、老朽化が挙げられます。下水道管は、年月とともに劣化し、老朽化していきます。老朽化が進むと、腐食やひび割れなどが発生してしまい、最終的には漏水や破損が起こるでしょう。


実際に、日本にある下水道管の総延長は約49万kmとなっていて、かなりの長さです。下水道管の標準耐用年数は50年となっていますが、超過している下水道管の長さは、全体の7%程度、約3万kmです。


さらに、わずか10年で3倍の約9万kmの下水道管が耐用年数を迎え、20年後には全体の40%程度である約20万kmが耐用年数に達するとされています。耐用年数を超過した下水道管は、破損の危険が増すため、早急な対策が必要です。


とはいえ、一気に進めることはできないため、計画的に下水道管の維持管理・改築事業を進めていかなければなりません。しかし、すべての老朽化している下水道管を新設することはできません。莫大な労力とコストがかかり、工事期間も長くなってしまうからです。


工事期間が長くなると、その分下水道管の流れが止まってしまい、近隣地域にも大きな影響が出てしまうでしょう。そのようなことにならないためにも、低コストで工期が短く、下水道管の流れを滞らせない管更生工事が必要となるのです。



・地盤沈下の可能性


地域によっては、地盤の変動によって地盤沈下が起こる可能性があります。また、地盤沈下まで行かなくても、近くの変動による衝撃で下水道管が破損したり、つなぎ目が開いたりといったことが考えられます。


すでに破損してしまっているなら、早急な修繕が必要です。しかし、だからといって破損している部分をすべて新設するわけにもいかないため、管更生工事を行います。



・樹木の根の侵入する危険


地下には樹木が根を張っており、樹木の根が下水道管に侵入してしまうことも考えられます。そのようなことになれば下水道管が破損してしまうため、こちらも早急な対応が必要になります。


道路を掘り返すことなく下水道管の破損を直せる管更生工事は、さまざまな環境下で下水道管の機能を取り戻せるでしょう。




■作業はどんな流れ?



下水道管を修繕する作業は、どのような流れで行うのかを把握しておくことも大切です。下水道管を修繕するためには、ひとまず細かな調査や点検を行います。


どこが破損しているのか、どのような状態なのかをきちんと知っておかなければ、適切な修繕ができないからです。管内カメラを用いることで、状況を知ることが可能です。


次に、マンホールから専用の機器や材料を搬入します。準備が整ったら、管の損傷状況を修繕するために必要となる更生材を挿入します。


きちんと挿入できたことを確認し、熱や圧力などで更生材を硬化させて新しい下水道管を形成します。最後に再度カメラを入れて破損個所の修繕ができているか、問題がないかを点検して、工事は終了です。



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