建設業界の課題はAIで解決されるって本当? 最新のAI活用事例を紹介

皆さん、こんにちは。福岡県福岡市を拠点に、土木工事や外構工事を手掛けている大神建設株式会社です。


近年ではAIが飛躍的な発達を遂げており、世の中のさまざまな場面で活用されているようになってきています。AIは、私たちの社会を根本から変えていくでしょう。


そしてこれは、建設業も例外ではありません。建設業でもAIは活用され始めており、現場作業のあり方や働き方が大きく変わろうとしています。さらに、建設業が長年抱えてきた課題の解決にもつながると期待されているのです。ここでは、建設業におけるAIの活用事例や、AIを導入した建設業の未来の姿について解説します。




■建設業とAIの関わり



建設業におけるAIの活用といっても、具体的にどうするのかピンと来ない方もいると思われます。そこでまずは、建設業とAIの関わりについて確認しておきましょう。



・これまでの建設業のソフト化・機械化

建設業は他業種に比べ、AIの活用が遅れている傾向にあります。しかし、従来の建設業も、機械やITと無縁だったわけではありません。むしろ建設業は、AIの登場以前から、さまざまなハードウェア・ソフトウェアが活用されていました。


これは、巨大な建造物を作り上げるためには、多様な用途に対応した建機や器具が必要だったからです。また、デベロッパーや計画・設計の業務においても、CADや環境設計ソフトが欠かせません。これらの活用によって、建設業の生産性は大いに高められてきました。


しかし、建設工事には、1つとして同じ現場や建築物・建造物が存在しないという特徴があります。同じものづくりでも、工場における製品の大量生産に比べ、プロセスが大きく異なるのです。


そのため建設業は、ソフト化や機械化が進んでいる業界でありながら、その役割が「個々の作業用のツール」にとどまっていました。一方AIは、建設業を全体的・根本的に変革できる可能性を秘めています。これまでAI化が遅れていた分、いざAIが普及すれば、その恩恵はとても大きなものになるでしょう。



・国も建設業におけるAI活用を推進

建設業のGDPは全体の5%以上を占めており、中小企業を含めた多くの企業が関わっていることから、国の経済にとっても非常に重要な産業です。バブル崩壊の影響もあり、日本の建設業は1990年代前半をピークに停滞していましたが、2010年代からは再び活気が戻ってきています。


とはいえ、従来通りのやり方を続けていては、建設業の抱える課題を解決し、世の中の変化に対応することはできません。そのため国土交通省では「建設産業の現状と課題」という報告書をまとめ、建設業を魅力ある産業にするための「i-Construction(アイ・コンストラクション)~建設現場の生産性革命」という提言を行いました。


AIやICT(情報通信技術)の活用による生産性向上も、その取り組みの1つに挙げられています。国の推進によってAIが普及すれば、建設業はより働きやすく経済規模も大きい業界になっていくでしょう。



・建設業では、どんな場面でAIを活用できるの?

AIは、建設業のさまざまな場面で活用が見込まれています。たとえば、建造物の設計・デザインや建設計画の立案、長期メンテナンス計画の構築などは、圧倒的な学習機能を持つAIの得意分野です。


また、カメラによる画像処理は、建設現場の進捗管理の効率化につながります。施工管理業務や資材の搬入計画策定においては、AIによるシミュレーションが役立つでしょう。さらに、AIによって建機の稼働を自動化すれば、より安全で効率的な作業が可能になり、人手不足を補うこともできます。この他にも、多くの活用法が検討されています。




■建設業界の抱える課題と目指すべき姿



現在の建設業界は、さまざまな課題を抱えています。AIの活用は、これらの課題の解決にもつながると期待されています。建設業界の抱える課題と、目指すべき姿について見ていきましょう。



・生産性向上

建設業界は他業種に比べ、生産性が低いことがわかっています。つまり、とても効率の悪い働き方をしており、労働時間が長い割に成果が少ないのです。前述したように「1つ1つが受注生産」「同じ現場が1つとして存在しない」という性質上、効率的な大量生産がそもそも難しいという一面はあるのですが、問題はそれだけではありません。


大きな要因としては、バブル期の過剰な建設投資が一気に減少したことが挙げられます。バブル崩壊以降、建設業の就労者は減少を続けており、建設投資はそれを上回る速度で減少しました。結果として、省力化につながる投資も見送られてしまい、生産性が向上しないまま現在まで来てしまったのです。



・安全性向上

よくイメージされる通り、建設業は危険を伴う仕事です。高所作業や危険物の搬送・使用、多人数での同時並行作業、そして建機と人の共同作業など、建設現場はどうしても事故が生じやすい環境にあります。長期的に見ると労働災害は減少傾向にありますが、より安全な現場づくりへの取り組みは必要不可欠です。



・インフラ強靭化

道路や河川、橋梁といったインフラは社会の基盤であり、適切な保全計画に基づいて管理・更新しなければなりません。特に近年では、大きな自然災害が頻繁に発生しており、インフラの防災対策の強化が求められています。



・人材の確保

近年の建設業は、就業者の高齢化が全産業平均を上回る勢いで進んでいます。20代の建設業従事者は10%程度に過ぎない一方、55歳以上は約35%に達しているのです。今後数年間で、熟練の作業員(技能者)の多くが離職すると見積もられているため、人手不足はさらに深刻化するでしょう。


対策としては、AIによる建機の自動運転やドローンの導入などが挙げられます。現場作業の機械化・自動化が進めば、少人数でも効率よく工事を行うことが可能です。また、建造物の標準化により、毎回オーダーメイドのような工事をしている状態から脱却すれば、より作業効率がアップします。




■すでに活躍中! 建設業におけるAIの活用事例



建設業界におけるAI活用はまだまだ道半ばですが、すでに活用されている現場もたくさんあります。代表的なAIの活用事例としては、以下のものが挙げられます。



・自己生成型建築設計支援

自己生成型建築設計支援とは、簡単にいうと過去の建設工事の事例をもとに、建造物のデザインや建設計画の策定をサポートしてくれるシステムです。建造物に求める条件やゴール地点を設定すれば、デザイン生成ソフトウェアが最適なデザインや建設計画を提案してくれます。構造計算にも活用可能です。



・資材管理と物流マネジメント

建設資材の管理にもAIが活用されています。従来だと、資材の在庫のカウントは自動化が難しく、目視で行う必要がありました。しかし、AIによる画像認識技術を用いれば、在庫の数をAIが正確にカウント。さらに、必要な数量も自動的に算出して搬入計画に反映してくれるため、資材管理に加えて物流マネジメントも大幅に効率化されます。



・自律操縦ロボット

建機にAIを搭載して無人化した自律操縦ロボットは、すでに多くのメーカーから発売され、建設現場で活躍しています。人間には不可能な作業や危険性の高い作業を任せることもでき、作業の効率や安全性を大きく高められるのがメリットです。


ただし、建設現場での作業は室内での製造作業などに比べ、予想外の事態や環境の変化などが発生しやすい傾向にあります。そのため自律操縦ロボットにも、より柔軟な対応力と自律性が求められます。


大神建設でも、すでにAIやICT施工といった最先端技術を取り入れております。安全性や生産性、さらには施工精度も従来に比べて向上。高品質な施工を、より早く確実にご提供できるのが強みです。




■AIの普及により、未来の建設業はどうなる?



それでは今後、AIがさらに普及すると、建設業はどうなるのでしょうか? 遠い未来の姿はわかりませんが、現在推測できる範囲で考えても、建設業のありようは大きく変化する可能性があります。


たとえば、設計におけるVRでの3Dイメージングは、すでに活用されるようになりました。また、AIが最も効果を発揮すると考えられているのは管理業務です。AIによる管理が定着すれば、労働災害やセキュリティ面のトラブルは減少すると見込まれています。


さらに、将来の建設工事は、ある程度のパーツを建築現場の外で組み立てる「オフサイト建設」の方向へ進むでしょう。ロボットも今よりずっと小型化して、建設現場ではミニロボットが多くの作業を同時に進めるようになるかもしれません。


こうしたAIやICT、IoT(モノのインターネット)、そしてロボットの実用レベルが高まれば、作業効率は大幅に改善されます。その結果、建設コストは20%低減されるとの予想もあるのです。



このように、AIは建設業の安全性や効率性を高め、人手不足への効果的な対策となります。AIが今以上に普及し活用されるようになれば、建設業はとても働きやすく希望の持てる業界になるでしょう。皆さんも建設業界に就職する時は、AIやICTの活用に積極的な企業を探してみてください。


大神建設では、土木工事・外構工事の技能者や施工管理として、一緒に働いていただける方を募集しております。弊社は現状に満足せず、常に時代に合わせた柔軟な取り組みを心掛けている会社です。


働き方改革や建設DXにも力を入れており、近年では下記の施工事例のように、ICT施工を積極的に取り入れております。結果として業務効率・生産性が飛躍的に高まり、現在では残業時間を月平均6時間未満に抑えられるようになりました。


施工事例はコチラ

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また、社内には新しいアイディアやチャレンジを歓迎する風土があります。ミーティングにおいては若手の意見も尊重されるなど、会社の方向性や決定事項に関しても発言しやすい好環境が整っています。


募集にあたって、学歴や経験は問いません。土木工事に関心のある方、働き方改革や建設DXを推進している会社で働いてみたい方は、どなたでも大歓迎です。興味のある方はお気軽にご連絡ください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。