新3Kと従来の3Kの違いについて徹底解説

近年、建設業界の労働条件の改善に向けた取り組みが注目されています。これまで建設業界の労働条件は過酷とされ、古くから「3K」(キツイ、汚い、危険)というイメージが一般的でした。しかし、近年ではそのイメージを一新し、労働者の給与や休暇、将来に対する希望を重視する「新3K」への転換が進んでいます。新3Kは、建設業界の発展や労働者の生活の質を向上させることを目的とし、建設業の未来を担う重要な要素です。この記事では、新3Kの内容や実現に向けた取り組みについて紹介します。




■新3Kが注目される背景



建設業界が新3Kへの転換を推進する背景には、いくつかの重要な要因が存在します。以下に、その代表的な要因について説明します。



・労働者の高齢化

建設業界では、長年にわたり活躍してきたベテラン労働者の高齢化が進んでいます。特に団塊世代の労働者の年齢的な大量離職のタイミングを迎え、多くの経験豊富な労働者の引退によって技術やノウハウの喪失が懸念されているのが現状です。

2020年の国勢調査によると、2016年時点の建設業界の労働者の平均年齢は44.2歳であり、全産業の平均年齢よりも高くなっています。特に55歳以上の労働者の割合が33.9%を占めており、業界全体が新たな労働者の育成と定着に向けた取り組みを求められています。

労働者の高齢化が進む中で、新3Kの実現は、若い世代に建設業界の魅力を伝えるとともに、引退後の生活の安心にもつながります。



・若者離れが進んでいること

建設業界への若者の関心が低下している傾向が見られます。2020年の国勢調査によると、2016年時点の建設業界に従事する若年層(29歳以下)の労働者の割合は19.1%にとどまり、全産業の平均よりも低いことがわかります。従来の3K(キツイ、汚い、危険)のネガティブなイメージや労働条件の魅力不足が若者離れの要因の一つです。若い世代の持つ、新しいアイディアや視点、ITの積極活用への対応力を、建設業界に取り入れる機会を失い、建設業界全体の停滞を招く可能性があります

若者離れが続くと、建設業界の発展や持続性が危ぶまれることから、新3Kの実現は、若い世代に建設業界の可能性ややりがいを示すことにつながります。



・離職率の高さ

建設業界では、若手労働者の離職率が高いことが課題となっています。

この要因として、労働環境の厳しさや不安定さ、上下関係に重きを置く伝統的な教育スタイルなどが考えられます。

屋外の現場が大半を占めており、季節や天候によっては厳しい環境下で業務にあたることや長時間労働や過重労働、長期の出張が続くイメージ、季節によって仕事量に変動があり収入が安定しないことなどは、若手職人にとって大きな負担やストレスとなるでしょう。

また、先輩後輩の力関係が強く、丁寧な教育とは真反対の「ノウハウは見て学べ。技術は見て盗め。」というスタイルが一般的でした。自由な発言や「ほう・れん・そう」のしづらさは、若手職人が居心地の悪さや孤立感を感じさせた要因と言えるでしょう。

建設業界の人材不足や技術低下に直面する中、新3Kの実現は、若い世代に建設業界の働きやすさや働きがいを提供することにつながります。




■従来の3Kと新3Kはどんな点が違うのか



建設業界における労働環境の変化を象徴する従来の3Kと新3Kの違いについて解説します。



・従来の3K「キツイ」「汚い」「危険」

従来の3Kは、建設業界の労働条件の厳しさや労働者の不満や苦労を表す言葉として、定着してきました。

キツイ: 労働時間が長く、体力的にも精神的にも過酷であり、「キツイ」こと

汚い: 労働現場が泥やほこりなどで汚れやすく、衛生面や美観面で「汚さを感じる」こと

危険: 作業中に事故や怪我のリスクが高く、「危険」な状況下での作業が日常的であること

建設現場での長時間の屋外作業や重い物の運搬、高所での作業などは避けられず、身体的な負担や安全リスクも多く存在します。これらは、労働者にとってストレスや身体への負担となるばかりでなく、業界全体のイメージも悪化させる要因となってきました。



・新3K「給料」「休暇」「希望」

新3Kは、建設業界の労働条件の改善やイメージの一新を目指す言葉であり、従来の3Kとは全く異なる価値観が打ち出されています。給料、休暇、希望の要素が重視され、労働者の生活の質や働き方の満足度を向上させることが目標です。


給料: 労働者の給与水準を高め、生活の安定や満足度を向上させること。働く価値を適切に評価され、適正な「給料」を得ることで、働く意欲を促進することを目指す。

休暇: 労働者の休暇の取得機会を拡大し、ワークライフバランスを改善すること。適切な休息やワークライフバランスの確保や、労働者の健康とプライベートの充実が重視され、「休暇」を取得できる環境が提供されることを目指す。

希望: 労働者の将来のキャリアパスに対する期待や目標を重視し、やりがいや成長を感じられること。将来の展望に対する期待や目標を持てること、やりがいや「希望」を感じられる魅力的な職場づくりを目指す。




■新3Kを実現させるための取り組み事例



新3Kは、建設業界の魅力や価値を高める言葉として、多くの建設関係者に支持されています。しかし、新3Kは現状を示した言葉ではありません。今後向かうべき方向性を示した言葉であり、建設業界では新3Kの実現に向けたさまざまな取り組みが進められています。



・建設DXを活用した取り組み

デジタル技術を導入し、生産性を向上させる取り組みが進んでいます。業務プロセスの効率化や品質向上を実現させる建設DXの導入はその一つです。

建設DXの導入例として、ドローンやAIカメラを活用して、リアルタイムに現場の状況や進捗を把握することは、品質管理に役立てられます。

また、VRの活用により、3Dでシミュレーションすれば、設計変更や工期短縮に役立ちます。その他、現場の機器や資材をネットワークで管理すると、適切な在庫管理や物流管理が可能です。

建設DXが新3Kの実現に貢献できる理由をまとめると下記の通りです。

・コスト削減や品質向上によって適正な「給料」を得られること

・工期短縮や作業効率向上によって「休暇」が取りやすくなること

・新技術の導入により成長やキャリアに「希望」が持てること



・働き方改革の施策による取り組み

働き方改革により、柔軟な働き方や労働時間が見直され、労働環境の改善が進み、労働者の働きやすさや働きがいを高めることができます。

働き方改革が新3Kの実現に貢献できる理由をまとめると下記の通りです。

・長時間労働の是正や残業代の支払いにより、適正な「給料」を得られること

・柔軟な勤務形態や有給休暇の取得により、「休暇」が取りやすくなること

・労働者の声を届けられるシステムにより、成長やキャリアに「希望」が持てること



・人材を大切に育成するための取り組み

労働者のスキルの向上やキャリアアップの支援を目指す取り組みが行われています。

新たな教育環境として、研修の実施やOJTによる指導、資格取得支援制度の整備など、新たな人材育成に力を入れています。


人材育成が新3Kの実現に貢献できる理由をまとめると下記の通りです。

・スキルや能力の向上や資格や認定の取得により、適正な「給料」を得られること

・教育や研修の充実、OJTの導入などにより「休暇」が取りやすくなること

・成長やキャリアの支援や展望により、やりがいやモチベーションを高め「希望」が持てること



・担い手を増やすための取り組み

新たな労働者の獲得に向けた取り組みや労働者の定着率の向上といった課題は大きく、よりスピーディな対応が必要です。

若者への魅力的なキャリアパスや成長機会を提供し、建設業界の未来を担う人材を確保するための動きが進んでいます。具体的には、若年層へ建設業界の魅力をアピールするためのWEBサイトを充実させ若手職人のインタビューや体験談を紹介することや女性や外国人の採用促進、建築、土木系の大学や専門学校との連携強化などの取り組みが進められています。


担い手の確保が新3Kの実現に貢献できる理由をまとめると下記の通りです。

・多様な人材の採用や育成によって、労働力の確保や競争力が強化され、適正な「給料」を得られること

・労働人口の増加により柔軟な勤務形態が実現可能となり「休暇」が取りやすくなること

・教育機関との連携より、成長やキャリアに「希望」が持てること



建設業界で進められている新3Kへの取り組みについて紹介しました。新3Kへの取り組みは、労働環境の改善や生活の質の向上が期待されており、建設業界全体の発展に大きく影響を与えるでしょう。


こういった建設業界の変化の中で、土木作業員(施工技能者)は、施工管理・施工技能者としての価値が高まる職種であり、手に職をつけて安定した収入を目指したいという人にはおすすめの仕事です。労働力不足の問題も相まって、今後も需要が高く、それに比例して待遇面も向上することが予想されます。

ぜひ、大神建設で、土木工事・外構工事の技能者や施工管理者として、一緒に働いていきませんか?

弊社は現状に満足せず、常に時代に合わせた柔軟な対応を心掛けている会社であり、新3Kの実現に向けて取り組んでいます。

「休暇」・・・建設DXを推進しており、ICT施工を導入しています。これにより、生産性向上や業務効率化を実現され、残業時間を月平均6時間未満に抑えられています。

「希望」・・・社内では、新しいアイディアやチャレンジを歓迎しており、ミーティングにおいては若手の意見も尊重される風土です。会社の方向性や決定事項に関しても発言しやすい好環境が整いやりがいを感じられます。また、大神建設株式会社では、スキルや資格を身につけるための教育体制や支援制度が充実しており、資格取得や講習費用はすべて会社が負担です。また、十分な勉強時間を確保にも最大限配慮しています。

特に重機オペレーターでの国家資格、「1級建設機械施工技士」「2級建設機械施工技士」の取得が推奨されています。キャリアアップや給与・待遇の向上、仕事の幅の拡大など、建設業界で働く人にとってメリットの多い資格です。

また、一級土木施工管理技士や二級土木施工管理士、測量士など業務に関連する資格取得を目指す場合、奨励金制度も活用できます。

「給料」・・・それぞれのスキルや頑張りをしっかりと認め、現場での活躍はきちんと評価し、給料に反映されます。そのため、モチベーションを保ちやすく、やる気を持って働けば、スキルアップと収入アップを同時に実現可能です。また、賞与査定に頑張りが評価される仕組みがあるほか、資格取得後には手当も支給されます。


募集にあたって、学歴や経験は問いません。土木工事に関心のある方、建設DXを推進している会社で働いてみたい方など、どなたでも大歓迎です。興味のある方はお気軽にご連絡ください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。