建設DXとは何か? 建設業界の課題や、AI・ICTなどの先進技術がもたらす可能性を紹介 

皆さん、こんにちは。福岡県福岡市を拠点に、土木工事や外構工事を手掛けている大神建設株式会社です。


ここ数年、「DX」という言葉を耳にする機会が多くなりました。実は建設業界も無関係ではなく、「建設DX」が国や業界によって推進されています。建設DXは、建設業界の長年の課題を解決できるとして期待が高まっていますが、具体的にどのようなことに取り組むのでしょうか? ここでは、建設DXがもたらす可能性や、用いられるデジタル技術について解説します。




■建設DXとは?


建設DXとは、文字通り建設業界でDX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)を実現しようという試みです。では、DXとは一体何なのでしょうか? 経済産業省の指標では、以下のように説明しています。


「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」


噛み砕いていうと、さまざまなデータやIT技術などを活用し、製品・働き方・ビジネスモデルなどを変えて、激しい変化の中でも生き残っていける企業を目指す取り組みということです。より優れたサービスの提供や業務効率化を狙うのはもちろんですが、実際には上記の通り、組織や企業風土といった根本的な部分からの変革を意識して行われます。


これらを建設業界に導入するのが建設DXというわけですが、これまでの建設業界はデジタル化の波に乗り遅れている感がありました。しかし、最近では国や業界を上げて建設DXが推進されており、古い体質だといわれることが多かった建設業界にも、大きな変化が起こりつつあります。




■建設業界が抱える課題とDXがもたらす可能性



建設業界は、これまでさまざまな課題を抱えてきました。もし建設DXが実現すれば、それらの課題を解決し、業界に大きな変革をもたらす可能性があります。建設業界が抱える課題と、それらをDXでどのように解決するのかを見ていきましょう。



・人材不足と高齢化

建設業界では人材不足が深刻化しています。1997年に685万人いた就業者は、2021年には482万人にまで減少しました。また、就業者の高齢化も他の業界以上に進行しており、2020年時点で55歳以上が約36%、29歳以下が約12%という状態です。このままだと、社会を支える建設業界の担い手がいなくなり、優れた技術の継承も不可能になるでしょう。


そこで期待されるのが、デジタル技術による省人化です。たとえば、3次元モデルやリモートワーク、重機の遠隔操作・同時操作などを導入して業務の効率化を図ると、少ない人数でも現場を回せるようになります。将来的には、AIによる重機の自動操縦も普及し、さらなる省人化を図れるでしょう。


また、熟練の職人の作業手順や考え方をデータとして記録し、効率のいい人材育成につなげるという方法もあります。これなら技術の継承が途切れる心配もありません。将来はAIに熟練工の動きを学習させ、自動で作業させることも可能になるはずです。



・長時間労働

建設業界では、労働時間が長く休日が少ない状態が続いています。2021年度のデータを見ると、年間熱労働時間が全産業の平均時間より300時間以上も多く、休日は全産業の平均より30日少ないという厳しい結果でした。人手不足も一因ではありますが、この状況を改善するには業務のあり方そのものを見直さなければなりません。


たとえば、打ち合わせにおいて建築物の3次元モデルを活用すると、仕様を確認しやすくなり時間削減につながります。施工管理アプリやWeb会議、リモートワークなども、管理業務の効率化や移動時間の削減を目的として広く使われるようになりました。CRM(顧客管理システム)やSFA(営業自動化)による情報の一元管理も、業務効率化を図る上で非常に有効です。



・生産性の低さ

建設業界では生産性の低さも課題となっています。2020年のデータだと、全産業の平均生産性が4,412円/人・時間だったのに対し、建設業は3,075円/人・時間という大幅に低い数値でした。2001年~2019年では、3,000円/人・時間を超えたことがありません。つまり、とても効率の悪い働き方をしており、労働時間が長い割に生み出す成果が少ないのです。


この問題は、業務の効率化や省人化を図ることで解決できます。ここまで見てきたような方法を用いて、労働時間の削減や人手不足対策を行えば、自然と生産性も向上していくでしょう。




■建設DXで用いられるデジタル技術


建設DXでは、さまざまなデジタル技術を駆使することで、労働時間の削減や生産性アップを実現します。建設DXで用いられる主なデジタル技術をご紹介します。



・AI(人工知能)

AI(Artificial Intelligence/人工知能)とは、これまでは人間にしかできなかった知的行動をコンピュータに行わせる技術です。AIを活用すると、コンピュータに膨大なデータを瞬時に処理させたり、さまざまな情報を自主的に学習・判断させたりすることが可能になります。


たとえば、作業の自動化や重機の自動操縦、画像の分析による老朽化した部分の調査や進捗状況の判定、設計段階による耐久性の計算などが実行可能です。また、熟練工の技術力を学習させることもできます。いずれはより多くの作業を機械に任せられるようになるでしょう。



・SaaS(クラウドサービス)

SaaS(Software as a Service)とは、いわゆるクラウドサービスの一種です。従来のようにソフトウェアを利用者側が購入するのではなく、提供者側で稼働しているソフトウェアを、インターネット経由で利用するサービスを指します。


SaaSのメリットは、アカウントとインターネット環境さえあれば、どこにいてもサービスを利用できることです。たとえば、写真・図面・工程表などを管理する施工管理アプリも、クラウドを活用しています。どこからでもアクセスできるため、現場で進捗状況を入力してオフィスで確認したり、リアルタイムで情報共有を行ったりすることが可能です。


また、従来のように書類や図面を紙媒体で保管していると、管理が煩雑になりがちでした。しかし、SaaSを使えば、あらゆる書類や図面をクラウド上で一元管理できます。必要な書類の検索や情報共有も簡単です。



・ドローン

ドローンとは無人航空機のことです。建設工事においては、建設現場や構造物を上空から撮影するのに用いられます。工事の進捗確認や点検作業などを、安全かつ効率よく行えるのが大きなメリットです。省人化や足場の不要化によって、コストダウンにもつながります。



・BIM/CIM(ビム/シム)

BIM/CIMとは、「Building Information Modeling」「Construction Information Modeling」の略称です。構造物を立体的な画像で表す技術のことで、構造物の完成形を正確に把握でき、問題箇所の確実な発見や打ち合わせ時間の短縮といったメリットが得られます。結果として、無駄なコストを削減することも可能です。なお、2023年度からは、小規模工事を除くすべての公共事業において、BIM/CIMが原則適用となりました。



・ICT(情報通信技術)

ICT(Informationand Communication Technology/情報通信技術)とは、インターネットなどを活用したコミュニケーション技術のことです。機器の遠隔操作や、AR(拡張現実)技術を用いた仕上がりイメージの共有などに活用できます。ドローンで撮影した画像をそのまま3次元測量データにする、などということも可能です。




■大神建設ではスタッフを募集中! 建設DXに取り組む会社で働いてみませんか?



建設DXが本格化すれば、建設業界はまさに根本から生まれ変わることになります。人手不足や長時間労働といった長年の課題も解消され、働きやすく希望が持てる業界になるのです。国や業界も建設DXを推進しているため、今後はDXに取り組む会社が増えていくと考えられます。建設業界で長く安定して働きたい時は、建設DXに積極的な会社を選ぶといいでしょう。


大神建設では、土木工事・外構工事の技能者や施工管理として、一緒に働いていただける方を募集しております。弊社は現状に満足せず、常に時代に合わせた柔軟な取り組みを心掛けている会社です。


建設DXにも力を入れており、弊社が導入しているICT施工は、生産性向上や業務効率化を実現できます。ICT施工導入をきっかけに業務効率が飛躍的に高まり、現在では残業時間を月平均6時間未満に抑えられるようになりました。


社内には、新しいアイディアやチャレンジを歓迎する風土があります。ミーティングにおいては若手の意見も尊重されるなど、会社の方向性や決定事項に関しても発言しやすい好環境が整っています。


募集にあたって、学歴や経験は問いません。土木工事に関心のある方、建設DXを推進している会社で働いてみたい方は、どなたでも大歓迎です。興味のある方はお気軽にご連絡ください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。